9月2日 荘川
近頃の郡上は渇水続きで、どこへ行っても釣れる気はしない。
で、バイオウェザーでチェックすると、六厩辺りでは、昨日1日で30mmの雨。ここなら何とかなるかもしれん。
まず六厩へ行く。川を見ると、まあ平水か。上流から下って行って、入溪第3候補地点では釣り準備してる人がいる。そして第1候補地点は車がある。第2候補地点は空いてた。
そそくさと準備して短い林を抜けて河原を覗いたら、なにか作業をしてる人がいる。何とかという道具(スコップとクワの中間のようなヤツ。名前を忘れた)で川原の砂利をすくってバケツに入れて、それからその砂利を黒いお皿のようなものに移して、しゃがんで無心に何かやってる。
オオッ、これはゴールドハンターだ。近頃、金に縁があるゾ。いや、金(カネ)じゃないよ。
これはどうしても、本当に金が取れるのかどうか聞かねばならん。が、その方は私の存在に気づく前に、そそくさと道具を片付けて去って行かれた。・・・金に逃げられる。縁起悪ぅ〜〜。

気を取り直して釣り始める。
川は静かながらも時折仔アマゴがからむ。こういうの久しぶり。お盆からこっち、そういうことすらなかったから。そしてやっとこアマゴを1匹釣った。魚体がちょっと黒い。残暑厳しいけれども、川の中は少しづつ秋に近づいてるのだな。

その後、庄川上流へ行く。六厩から上がった直後に雨が降ってきたけれども、ここは道路も濡れてない。釣り人の車3台。渇水ではあるけれども、郡上の谷ほどでもない。
カップ焼きそば食ってビール飲んで文庫本開いて。頭の上はちらほらとは青空は見えるけれども、西の空は真っ黒な雲。あんまりのんびりとはできなそうなので早々に本をたたんで釣り始める。
でもここは六厩とは違って仔アマゴも出ん。「例のフライ」を試すも何にも出ん。そして雨が降ってきた。
僅かな期待もしたけれど、ずっと出ん。ここで出なけりゃあ、というポイントで、やっとこ15センチのイワナが釣れた。その後も釣れず4時半で終了。
帰り道には釣り人の車は全部なくなってた。皆さん釣れんのでしょう。

1日で複数匹釣ったのは久しぶりです(たった2匹だけど・・・)。

9月16日 入谷
5月の終り頃から局長さんと始めた「例のフライ」=「ハズカシフライ」ですが、これが期待に反してなかなか釣れなくって、でもまあ数匹の実績を積んだものの、1ヶ月もした頃には「やっぱりドライフライの方が釣れる〜」と、2人ともそこそこ飽きてきた。
でも実は私としては、局長さんの方が多く釣ってるのが悔しくって、「飽きた」と言いながらもコソコソとやってた。フライもマイナーチェンジの繰り返し。
8月に入ってからは渇水続きで、ドライフライにも厳しく、もちろん「例のフライ」を使っても釣れなく、ただ、それなりに「例のフライ」の使い方を覚えたのか、そんな時でも、魚の反応だけに限って言えば、ドライフライよりもずっと良かった時もあった。(釣れないけど)
思い返せば遠い昔、私がテンカラを始めた1年間はたったの1匹しか釣れなかった。で、なぜ釣れなかったといったら、テンカラで1時間たっても釣れなかったら、すぐに餌釣りに戻ってたから。
ウェットフライを始めた1年間もほとんど釣れなかったけれども、この時はテンカラの経験があったので、その1年はほとんどウェットばかりやって、でもそれを我慢してやってれば、そのうち釣れてくるのが解ってきた。コツが解ってくるんだな。先生の居ない釣りは、そんなもんです。
「例のフライ」の場合も、多分ソレに当てはまるハズ。
そして何より、その「例のフライ」で1匹釣ると、ドライフライのそれより10倍嬉しい!!

そんな訳で、近頃は釣りに一生懸命で写真を撮るのがオロソカで(お魚も釣れんし)、そして私の場合、写真が無いとHPの更新もままならんのです。

先の9日は師匠と船長で庄川へ行って、昼食にはマイタケケーちゃんと明宝亜種ウインナーパスタとシーザーサラダの美味しい釣行で、私0匹。
16日は坪さん局長さんとで入谷・田茂谷へ行って、昼食には炭火焼肉と韓国冷麺を頂いて、やっぱり美味しい釣行で、私1匹。

さて今シーズンもあと2週末を残すのみ。
このまま「例のフライ」を続けるべきか。それともまっとうなドライフライで釣るべきか・・・。
悩むところです。。。

9月23日 田茂谷
えー、今回も写真がありません。釣れなかったってことです。

金曜日の天気予報では、土日とも晴れまたは曇りで、じゃあ土曜日にドライフライでアマゴ釣って、日曜日には「例のフライ」でイワナを釣ろうと計画した。
まず土曜日。晴れ。土京へ行きました。
水位は増水気味。この谷には調度良い水位でワクワクする。今年の土京は全く釣れなかったけど、最後の最後になって好条件。喜び勇んで谷へ下りて、ドライフライ結んで釣り始めるも・・・。1時間半、な〜んにも出ない。挫けてニンフ結んで30分、な〜んにも出ない。ここにアマゴは居らんのか??
その後昼食して少し下流に移動して、再び入渓。
このさい「例のフライ」だ。私、このフライでまだアマゴ釣ったことありません。局長さんは「ハズカシフライ」でアマゴ釣った〜と自慢してたな。クヤシイ・・・。って、どんなレベルのお話なんだか???
で、アマゴ中心のこの谷で「例のフライ」じゃあ釣れる訳ありませんわな。
この日はボウズ・・。
でも明日があるさ!!

翌、日曜日。朝から冷たい雨が降ってる。昨日の夜に天気予報がガラリと変わって、雨なんだと。たかだか2日先の予報が出来ないんだったら、週間予報とか長期予報なんかするべきじゃないと思う。
先が解らないから人生面白いと思うんだけど、「明日のあなたの人生はこういう予定なんですよ〜」なんて言われたら、絶対それを参考に動くはずだけど、「やっぱり違っちゃいましたね〜。ゴメン」じゃあ済まんでしょう。私なら怒る。
う〜ん、ちょっと違うか。
で、しょぼ降る雨を眺めながら、さてどうしようかと悩む。けど、もう今シーズンもあとちょっと。行くしかないか。
悩んだ末に10時に出発。目指すは黒の谷。途中の油坂峠の道路の温度表示は13℃。・・・行っても釣れんな。
そして谷の林道の入り口の、そのまた手前の道で赤色灯を持ったニイチャンに止められた。話を聞くと”林道ウォーキング大会”をやってるらしい。「じゃあ、こっちの林道は行っていいの?」「本部に確認してみます」と言ってトランシーバーを握るも、そのまえに交通整理のための受信音が聞こえるばかりで忙しそう。
まあ、私はたかだか釣りなんだからね。ニイチャンの手間をとらすのも申し訳ないんでそのままスゴスゴとUターンした。
それから結局田茂谷。11時半着。シトシトと雨。
おにぎり食ってビール飲んで文庫本めくって12時半。とりあえず雨は上がる。
車から出ると冷気がそろりとやってきた。長袖シャツを2枚羽織ってカッパも着込む。これじゃあ釣れんな。
「例のフライ」を結んで釣り進むも、案の定釣れない。イワナの姿も皆無。いつもなら、いくら釣らない日でも、あそことあそこにはイワナが居るのに・・。でも今日は居ない。
・・・・、ボウズ。

ああっ、今シーズンもあと来週末のみか。。。
なんかこう、欲求不満の募るシーズンだったな〜〜。たぶん、「例のフライ」のせいだな〜〜。
あれは一体何なんだろう。釣れないんだけど、なんかこう、期待というか、幻覚というか、う〜ん、意地もあるな〜。プライドは捨てちまったけれど・・。面白いな〜〜。
まあ、合法ドラッグみたいなもんか。

(クマ棚)
9月30日 ラスト
29日、まず黒谷へ行く。
ここは今期熱中してしまった「例のフライ」=「ハズカシフライ」発祥の地なのであります。ラストになんとか、それなりの答えを出せんかと・・・。
10時半に現地着。え〜、実はここ、以前にこの近くでクマを目撃してしまってる。だから通常、1人ではここにこない。でも今日はもう後がないから仕方ない。怖くっても来てしまった。今シーズンのラストなんだから。
そしてクマスプレーを握り締めて谷へ下りる。晴天。やや渇水か。秋の空気が気持ちいい。青い空を見上げた。そしたら・・・。
なんとクマ棚があるじゃないですか!!
う〜ん、やっぱりlここにはクマが居る。改めて、ガンマンのごとくクマスプレーの抜き方を練習する。でも冷静になってそのクマ棚を観察すると、その葉っぱの枯れ具合から察するに、それが形成されたのは昨日今日のものではなくて、まあ1ヶ月はたってるんじゃないかと思われる。とりあえずは安心する。

そして釣り始めるも、やっぱりクマのことが気になって落ち着かなくってソワソワして、ダイモンジソウの写真を撮ろうとしてしゃがんでると、後ろからクマさんが覆いかぶさってくるんじゃないかと心配して、できれば男らしく正面から攻撃してくれれば私も正々堂々とクマスプレーで対決してやるのに(全然正々堂々じゃないな)と思ったりもした。
お魚の反応はそこそこあったけれども、何分いまだ不確かな「例のフライ」なのでフッキングにはいたらず、結局1匹のバラシで黒谷を終える。まあ、クマ棚にビビッて1時間だけの釣りです。

それから赤谷へ行って早めの昼食。ビールは頂いたけれど、今回は読書はなし。もう今年最後なんだからゆとりがないのです。
ただこの谷は黒谷のすぐ隣の谷ながら、そこそこ開けてるし横の林道も工事車両がそこそこと通るからクマの心配はない。のんびりと釣れます。
ただ、お魚の反応は極めて少なかった。約3時間の釣り。主に「例のフライ」。30分だけドライフライにするも無反応。最後の20分に「例のフライ」に反応があって、尺近いイワナはくわえてくれなかったけれども20数センチのイワナがガッツリ食いついたけれども、ラインが岩にからんでオタオタしてる間にバレてしまった。
結局ボウズだ。今シーズン、よくあるパターン。

谷から上がって林道をトボトボと帰る。「やっぱり釣れなかったな〜」と思う。
ふと脇の林を見たら、クマ棚があった。工事車両が通るとこでもクマは通るんだ。まあ、夜は静かだからね。
それから車での帰り道。本流スジの林を見ると、アチコチにクマ棚があった。その1本の根元に行って観察。クルミの木です。クマは、クリやドングリだけじゃなく、クルミも食うんだな。
(帰宅後、「クマに会う方法」という本で確かめたら、クマは夏になると「オニグルミ」を食うらしい。多分「クルミ」も一緒でしょう。ということは、あのクマ棚は1ヶ月ほど前に形成されたものか。私その頃、あそこ行ってたけど・・・。クマ、居たんだね。。。)

翌30日。ラスト釣行。
この日は師匠と船長とで谷のお別れ会。
師匠はバリバリの雨男です。確率80%、内、嵐50%。今日もやっぱり台風を引き寄せた。でも午前中は雨は降らなかったので、師匠の神通力も落ちたか。
10時に林谷到着。釣り人なし。林道に入って、私は昨日クマ棚の谷を1人で釣ってビビッたなんて事を話して、ここじゃあクマ棚も見たことないよ、なんていったら、師匠が、「じゃあ、あれはナンだ」と頭上の木を指差した。「ハイ、クマ棚です」。
う〜ん、ここでクマ棚を見るのは初めて。師匠によると、クルミの木らしい。(私は木の実を見ないと解らん)葉っぱは枯れてるから、そこそこ前に形成された感じ。

クマスプレーは持ってこなかったので、クマ鈴をリンリン鳴らして、3人あまり離れないで釣ろうね、と言って釣り始める。
でもやっぱり3人居ると心強い。1人襲われても、その間に逃げられるし。確率1/3だね。船長は「自分が襲われたら、せめて警察に連絡してくれ」と言う。ハイ、もちろんします。師匠は「あんたが襲われたら、その救出のために石を投げるかも知れんけど、あんたに当たったらゴメン」と言う。まあ、仕方ないでしょう。友愛無罪。違うか・・・。

さて釣りは。前半では師匠2匹。私と船長は0匹。
それから橋の下にもぐって昼食。雨が降り出したし。
まずはコテッチャン。ちょっと甘すぎ。お子ちゃまの味付けだね。
マーボー茄子は普通。マルミヤだからね。
栗ご飯。う〜ん、こいつは最高。今期の五つ星。
栗きんとん。栗の栽培に努力してください。

その後は私はビールの飲みすぎで戦意喪失。橋の下でプラプラする。
船長は堰堤の上流でカップリングしたアマゴをみて戦意喪失する。
師匠は下流へ行って、ちょっとだけ追加した。

今期も終わったね〜。
雨に煙る林谷を見送って、今シーズンを締めくくります。

「例のフライ」の答えは出せないまま終わってしまいましたが、フライを試行錯誤して結局釣れなくって無駄な釣りに費やした日々でしたが、なんかとっても楽しかったぞ。私ゃMなのかもしれん。

さて、今シーズンも私のHPにお付き合い下さいましてありがとうございました。
私、これから暫しの冬眠に入ります。
でもクマさんも、冬眠中であっても時折這い出してウロウロするらしいので、私もそんな行動となります。
まあ、月1回くらいは更新するつもりです・・・?